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「海外に目向けて」母校に本寄贈 浅口出身姫井さん 起業収益を活用

母校に本を贈った姫井さん。「早くから英語に触れ、世界を広げてほしい」と話す
母校に本を贈った姫井さん。「早くから英語に触れ、世界を広げてほしい」と話す
 今春社会人になった浅口市出身の会社員姫井倖太郎さん(23)=東京=が地域貢献として、母校の小学校に本(約10万円相当)を贈った。学生時代に起業して得た収益を活用。経営や留学を通して世界共通語である英語の大切さを実感し、漫画で覚える英単語の本を選んだ。「早くから海外に目を向けてもらいたい」との願いが込められている。本寄贈に至る経緯を語った。

 私は小学5年の時、初めて外国人の先生の授業を受けた。勉強してきたはずなのに何を言っているのか全く分からない。これが本物の英語かと驚いた。習得すればさまざまな人と交流できるとも思った。

 ビジネスに関心があり、大学1年の時に市場規模の大きい中国の工場を視察。中国産の雑貨などを日本で販売するネット事業を始めた。コロナ禍とあってオンラインで講義を受けながら会社を経営。できるだけ多くの英単語を覚えては海外に出向き、商品選びや価格交渉に当たった。外国語が話せると世界が広がることを体感した。

 東京で百貨店への就職が決まり、会社を売却。手元に残った利益の使い道を考え、地元への貢献を思い付いた。ネーティブの英語に触れる環境を整えてくれた浅口市への感謝の気持ちと、子どもたちに少しでも早く英語に触れ、興味を持ってほしいとの思いがあった。

 将来、再び起業する。大好きな岡山に還元するつもりだ。

 姫井さんは4月中旬に浅口市役所を訪れ、本63冊と50万円を寄贈した。本は鴨方東小(同市鴨方町地頭上)の6年生全員に配布。寄付金は英語学習の環境整備に役立てられる。原直秀校長は「卒業生の活躍と思いに感激した」と話した。

(2023年05月20日 17時55分 更新)

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