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くさぎ菜のかけめし 新たな名物に 吉備中央町など 文化庁認定で注力

郷土料理まきばの「くさぎ菜のかけめし」。くさぎ菜が丼の半分近くを覆う
郷土料理まきばの「くさぎ菜のかけめし」。くさぎ菜が丼の半分近くを覆う
道の駅かもがわ円城うどん店のメニュー。すまし汁は別添えで、好みの量を入れる
道の駅かもがわ円城うどん店のメニュー。すまし汁は別添えで、好みの量を入れる
祭りで200食が無料で振る舞われ、おいしさをPRした=4月16日、さんさん広場
祭りで200食が無料で振る舞われ、おいしさをPRした=4月16日、さんさん広場
 岡山県吉備中央町の郷土料理「くさぎ菜のかけめし」が、地域に根付く食文化をPRする文化庁の「100年フード」に認定されたことを受け、町観光協会や町は新たな名物にしようと、PRに力を入れている。

 くさぎ菜のかけめしは、乾燥させたシソ科の小高木・クサギの若芽を水で戻し、鶏肉やゴボウなどの具材をご飯の上に乗せ、すまし汁をかけて食べる。滋味あふれる優しい味で、特別な日に食べるごちそうとされる。3月、津山の牛肉料理などとともに「100年フード」に認定された。

 町観光協会などは認定を機にチラシやポスター、のぼりを作り、町内の施設などに配布。4月中旬、さんさん広場(同町吉川)で開かれた祭りでは、山本雅則町長がステージで試食しておいしさをアピールし、会場で200食を振る舞った。

 町観光協会によると現在、町内2店舗で料理を提供している。「郷土料理まきば」(同町吉川)は1992年の開店当初からの看板メニューで、くさぎ菜が丼の半分近くを覆う豪華な一品。「道の駅かもがわ円城うどん店」(同町上田西)は具材が細かく刻まれ、別添えのすまし汁を入れて“つゆだく”にすると、さらさら食べられる。両店とも認定以降、注文が増えているといい、「100年フード」効果は大きい。

 町観光協会は「調理に手間がかかり、作る人も減ったことから継承が危惧されていたが、注目されてうれしい。多くの人に堪能してもらえれば」と期待している。

(2023年05月12日 16時26分 更新)

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