山陽新聞デジタル|さんデジ

希少オキナグサ 次世代につないで 吉備中央・円城寺 種を無料配布

種を付け始めた円城寺のオキナグサ
種を付け始めた円城寺のオキナグサ
 円城寺(岡山県吉備中央町)は、境内に自生するキンポウゲ科の多年草・オキナグサの種を、希望者に無料配布している。環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されており「希少な山野草を、次世代につないでほしい」としている。

 オキナグサは、春に赤紫色の釣り鐘形の花を咲かせた後、白髪の翁(おきな)を連想させる白い綿毛の付いた種ができる。かつては本州、四国、九州などに広く分布していたが、開発により自生地が減少。県内では現在、津山、総社、赤磐市などでしか確認されていない。

 同寺では天艸(あまくさ)真諦(しんたい)住職(66)が十数年前、町内の住民から譲り受けた苗を寺の庭に植えたのが始まり。自然と増え続け、今シーズンは3月中旬から、千株以上が花を咲かせた。

 2017年から種を採取し、無料配布している。毎年、県内外の600~700人から申し込みがある人気ぶりだ。天艸住職は「多くの人に協力してもらい、希少植物の保護に少しでも役立てば」と話している。

 希望者は宛名を書いた返信用封筒に切手を貼り、円城寺(〒709―2412、吉備中央町円城742)まで郵送する。

(2023年05月07日 10時41分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ