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なぜ子どもは鼻くそを食べるのか 大学教授が分析、対応策も

 鼻に指を突っ込み、ホジホジしたかと思ったら、そのままパクリ。小さな子どもがいる親の中には、このような「子ども鼻くそ食べる問題」に頭を悩ませる人もいるのではないだろうか。そもそも、なぜ鼻くそを食べてしまうのか―。子どもたちの心と体の健康について研究してきた玉川大教職大学院の田原俊司特任教授(65)=臨床心理学=に見解を聞いてみた。

子どもが鼻くそを食べると慌てますよね
子どもが鼻くそを食べると慌てますよね

 「子どもはまずいものは絶対に食べません」と田原特任教授。ということは…。「まずくはない。むしろ、塩味のスナック菓子のような感覚で、おいしいとさえ思っているかもしれません」と答える。子どもたちは酸味や辛味、苦みは徐々に慣れていくことで食べられるようになる。塩味や甘味に関しては、赤ちゃんのころから体得的に危険なものではないと分かっており、そういった味を求める傾向にあるそうだ。

子どもたちは塩味を求める傾向にあるという(kornnphoto/stock.adobe.com)
子どもたちは塩味を求める傾向にあるという(kornnphoto/stock.adobe.com)

 そもそも鼻くそは、鼻腔内の粘液と大気中のほこり、微生物などが混ざってできたものだそう。体に害はなさそうに思えるが、食べることはお勧めできないそうだ。田原特任教授は「ウイルスが付いている可能性があるほか、花粉がある場合、大量に摂取すると、アレルギー反応が起こりやすくなる」と健康面への影響を危惧する。

 「大きくなっても食べ続けたらどうしよう」と不安に思う人もいるかもしれない。田原特任教授は「成長とともにやめていくので、見守ってほしい」と話す。子どもは小学校中学年ぐらいになると、周りから自分がどう見られるかという「他者からの視点」が分かるようになる。人前で鼻をほじったり、鼻くそを食べたりする行為は「恥ずかしい」と思えるようになり、自然としなくなるそうだ。

「見守る姿勢も大事」と話す田原特任教授
「見守る姿勢も大事」と話す田原特任教授

 では、小さな子どもにはどのように対応すれば良いだろうか。子育て支援のNPO法人「0ー99おかやまおしえてネット」(岡山市)の代表理事で、20年にわたり、母親のサポートや子どもの育ちをテーマに活動してきた洲脇美智子さん(64)にたずねてみた。

対処法をアドバイスする洲脇さん
対処法をアドバイスする洲脇さん

 洲脇さんは「子どもが鼻をほじっている時、そっとティッシュを差し出してほしい」と提案する。自分で鼻くそをティッシュで拭い、ごみ箱に持っていく子もいるそうで、見守ってほしいそうだ。もし難しそうであれば「どうぞ、ここに置いて」と話しかけてみよう。「汚いからティッシュに出して」と言いたくなりそうだが、「鼻くそや便といった体から出てくるものに対して、『汚い』『臭い』といった言葉は使うと、恥ずかしく思ってしまう。自然で当たり前なことだと教えてあげてほしい」と語る。

ティッシュをそっと差し出してみましょう
ティッシュをそっと差し出してみましょう

 子どもに接する時の態度にも気を付けたい。鼻くそを食べようとする子どもに、「ダメダメ」「食べないで」など、慌てて大声で注意したことはないだろうか。親があたふたした様子を逆に、子どもが面白がってしまうかもしれない。もし食べてしまっても「反応しない」のが良いそう。洲脇さんは「過度に刺激せず、特別感を出さないのがポイント」と話していた。

(2023年04月20日 10時30分 更新)

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