備前焼作家の森大雅さん(48)と森敏彰さん(40)=いずれも備前市=が、インターネット上の仮想空間「メタバース」で備前焼の魅力を発信している。岡山県内の企業など約50団体が出展中の「岡山メタバース博」(1月31日まで)に参加。年始から新たにギャラリー空間を開設し、よりリアルに作品を感じてもらえるようバージョンアップする。
岡山メタバース博に出展する2人のブースを訪ねると、力強い焼けの壺(つぼ)、土味を引き出した花器などの写真が壁一面に並ぶ。成形や窯焚(た)きなどの制作工程、胡麻(ごま)や緋襷(ひだすき)といった窯変も紹介し、初心者でも親しみやすい。男女のアバター(分身)十数人が熱心に鑑賞しており、操作に慣れない記者は移動時にぶつかりそうになった。
メタバースはアバターを介して3次元の仮想空間を自由に動き回ったり、他の利用者と交流したりできる。新型コロナウイルス禍で注目が集まり、国内外で急速に利用が広がっている。同博が始まった11月、2人が開いた講演会では大型スクリーンで備前焼の歴史や製法を説明。「備前焼は土器、炻器(せっき)、陶器、磁器のうち、どの仲間でしょう?」などとクイズを出し、客席の参加者と盛り上がった。
「現実世界で私設美術館を作るのは大変だが、メタバース上なら簡単。しかも世界中の人に作品を見てもらえ、待ち合わせれば遠い場所の相手とも直接やりとりできる」と大雅さんは手応えを語る。
きっかけは今夏、岡山市であったメタバース勉強会。大雅さんが興味本位で参加したところ、偶然敏彰さんと一緒になった。もともと海外で制作展示やワークショップを行うなど、備前焼の魅力を積極的に発信していた2人。「取りあえず何かやってみよう」と同博出展を決めた。
元日には個々のギャラリーをオープン。美術館のように広い空間に、大雅さんは擬音語の文字を彫り出したオブジェ、敏彰さんは緋襷が渦巻く輪花鉢などの写真を展示。一部は360度鑑賞できる立体画像も用意し、アバターで会場を巡ると実物を前にしたような感覚になるという。
3日午後1時から作品解説を予定。メタバース上だけで楽しめる“デジタル備前焼”の制作も検討中で、2人は「伝統工芸というと堅いイメージを持たれがち。メタバースを通して面白い作り手がいる産地だと知ってもらい、ファンを増やしたい」と意気込んでいる。
岡山メタバース博は公式サイト(https://okayamametaverse.com/)から入場できる。
岡山メタバース博に出展する2人のブースを訪ねると、力強い焼けの壺(つぼ)、土味を引き出した花器などの写真が壁一面に並ぶ。成形や窯焚(た)きなどの制作工程、胡麻(ごま)や緋襷(ひだすき)といった窯変も紹介し、初心者でも親しみやすい。男女のアバター(分身)十数人が熱心に鑑賞しており、操作に慣れない記者は移動時にぶつかりそうになった。
メタバースはアバターを介して3次元の仮想空間を自由に動き回ったり、他の利用者と交流したりできる。新型コロナウイルス禍で注目が集まり、国内外で急速に利用が広がっている。同博が始まった11月、2人が開いた講演会では大型スクリーンで備前焼の歴史や製法を説明。「備前焼は土器、炻器(せっき)、陶器、磁器のうち、どの仲間でしょう?」などとクイズを出し、客席の参加者と盛り上がった。
「現実世界で私設美術館を作るのは大変だが、メタバース上なら簡単。しかも世界中の人に作品を見てもらえ、待ち合わせれば遠い場所の相手とも直接やりとりできる」と大雅さんは手応えを語る。
きっかけは今夏、岡山市であったメタバース勉強会。大雅さんが興味本位で参加したところ、偶然敏彰さんと一緒になった。もともと海外で制作展示やワークショップを行うなど、備前焼の魅力を積極的に発信していた2人。「取りあえず何かやってみよう」と同博出展を決めた。
元日には個々のギャラリーをオープン。美術館のように広い空間に、大雅さんは擬音語の文字を彫り出したオブジェ、敏彰さんは緋襷が渦巻く輪花鉢などの写真を展示。一部は360度鑑賞できる立体画像も用意し、アバターで会場を巡ると実物を前にしたような感覚になるという。
3日午後1時から作品解説を予定。メタバース上だけで楽しめる“デジタル備前焼”の制作も検討中で、2人は「伝統工芸というと堅いイメージを持たれがち。メタバースを通して面白い作り手がいる産地だと知ってもらい、ファンを増やしたい」と意気込んでいる。
岡山メタバース博は公式サイト(https://okayamametaverse.com/)から入場できる。
(2022年12月29日 20時36分 更新)