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ハチクマの渡り、旅の無事祈る 上昇気流捉え旋回 滑空し距離稼ぐ

翼で上昇気流を捉え旋回するハチクマ=岡山市南区
翼で上昇気流を捉え旋回するハチクマ=岡山市南区
 吉井川は長い旅路を終え瀬戸内海に抱かれようとしていた。タカの仲間・ハチクマの渡りを撮影するため15日、児島半島の東端にある八丈岩山(岡山市南区)に登った。

 まだ時期が早いのか、台風14号の影響か、午前中は全く現れなかった。午後になり、東の空から1羽が滑空してきた。渡りをする翼の長さ約130センチの猛禽(もうきん)。その名の通りハチの幼虫を主食とする。

 樋口広芳・東京大名誉教授らが送信器を付けた個体の衛星追跡を行い、渡りのルートが明らかになった。秋、本州で子育てを終えたハチクマは、長崎県の五島列島などから約700キロの東シナ海を渡り中国に到達。そこから南進してボルネオ島、ジャワ島などで越冬。春は、ほぼ逆のルートをたどるが、東シナ海を渡るのではなく、朝鮮半島経由で日本に戻ってくるという。

 趣味のハンググライダーでのクロスカントリー飛行を思い出した。上昇気流の中で旋回して高度を上げ、滑空に移り距離を稼ぐ。それはハチクマの飛行術そのものだ。

 頭上で旋回するハチクマは高度を上げ太陽に重なり見えなくなった。台風の迫り来る西の空。岩の上で旅の無事を祈っていた。

(2022年09月17日 14時22分 更新)

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