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人の心映したアート 岡山で2人展 I氏賞大賞の李さん、築山さん

赤い舟を模したファイバーアートなどを見せる李(右)と、株価や為替のグラフをモチーフにする築山
赤い舟を模したファイバーアートなどを見せる李(右)と、株価や為替のグラフをモチーフにする築山
 若手作家を育成支援する岡山県の「I氏賞」大賞を2017、18年度にそれぞれ受賞した美術家李(イ)侖京(ユンギョン)(44)=岡山市=と画家築山弘毅(39)=津山市=の2人展「ウツシヨノカガヤキ」が、岡山市北区天神町の県立美術館で開かれている。

 李は糸や布で造形したファイバーアート9点。「いつか咲いた花を」は鮮やかな赤い舟に小さな黄と白の花を載せ、幸せを運ぶ存在を表した。大作インスタレーション「渡し舟」は、銀箔(ぎんぱく)の糸で織ったいくつもの舟が深紅の大木の周りを進む。天に昇るようにつるされたものもあり、生命の躍動を感じさせる。

 築山は、株価や為替のグラフを題材にした絵画11点。新型コロナウイルス禍や災害に伴う社会の悲観や克服への期待感が、ジグザグの線に投影されている。最新作「shine on you cracked diamond」では、株価の上下動をグラフではなく、縦じま模様の色のグラデーションで表現。赤や黄の明暗の差で、集団心理の揺れを示す試みという。

 李は「自分の胸の内に広がる景色を作品にはき出した」と言い、築山は「そこにある形から見えない気持ちを捉えた」と語る。それぞれのアプローチで人の心を映したアートが、見応えある空間をつくっている。

 同展は昨秋開かれる予定だったが、新型コロナのまん延を受け延期されていた。29日まで。月曜休館。

(2022年05月09日 10時12分 更新)

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