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県内公共交通 減収121億円以上 呉高専・神田教授らグループ試算

県内公共交通 減収121億円以上 呉高専・神田教授らグループ試算
神田佑亮教授
神田佑亮教授
 新型コロナウイルスの感染拡大が岡山県内の公共交通に与える減収額は最低でも121億円に上るとの試算を、呉高専(呉市)の神田佑亮教授(交通リスク工学)らの研究グループがまとめた。公共交通は間引き運行や移動の自粛などで利用が大きく落ち込んでおり、グループは「今回の危機を契機に、自治体と事業者が公共交通の維持に向けた議論を深める必要がある」と指摘している。

 試算では2017年度の鉄道(新幹線を除く)とバス、タクシー、旅客船の運賃収入と、国などがまとめた今年3~5月の各業種の減収率といったデータを使用。交通需要の回復スピードごとに4段階のシナリオを想定し、それぞれ推計した。

 県内の公共交通の減収額は、6月から徐々に交通需要が戻る最も楽観的なシナリオで121億円となり、出張が一部オンラインに代替されることなどで回復ペースが遅く完全に戻らない場合は144億円と見積もった。新型コロナの影響が8月末まで中期化すると216億円、年内まで長期化すると278億円に上るとした。

 業種別の減収額は、バスが最も深刻で47億~107億円。鉄道41億~96億円、タクシー32億~73億円、旅客船1億~2億円。県内では運転手の大量解雇や国の特例措置を活用した臨時休車に踏み切るタクシー事業者が相次ぐなど、関係業界へのダメージが一部で顕在化している。

 また、中国5県全体の減収額は585億~1354億円とした。

 試算は広島大大学院の藤原章正教授(交通工学)、山口大大学院の鈴木春菜准教授(地域交通計画学)と共同で実施。神田教授が幹事長を務める日本モビリティ・マネジメント会議(京都市)が同じ業種を対象に行った全国試算では、最少でも減収額が1兆円に上るとしている。

 神田教授は「県内での現状は2番目に楽観的なシナリオに近いとみられるが、新型コロナの感染状況によっては影響がさらに長引く可能性もある。主に民間事業者が担っている公共の交通をどう支援していくかを市町村や県の単位で考える必要がある」と話している。

(2020年06月08日 23時02分 更新)

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