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岡山県内で広がるオンライン法事 「親戚集えぬ」悩みに寺が対応

景福寺で再現したオンライン法事。後ろのパソコンでつながった檀家に映像が送られる
景福寺で再現したオンライン法事。後ろのパソコンでつながった檀家に映像が送られる
 岡山県内の寺で法要をインターネット中継する「オンライン法事」が広がりつつある。新型コロナウイルスの感染拡大で、3月ごろから供養の延期や中止が相次いだことに対応した。密集、密接、密閉の3密を防ぎ、遠方でも自宅から参加できるのが利点だ。

 岡山市北区中央町の景福寺では5月6日から始めた。佐藤晃雄住職によると、3月ごろから法事の延期やキャンセルの電話が相次いだ。「自粛要請などで親戚が集まれない」といった悩みが多く、オンラインなら可能ではと考えた。「諦めるのではなく、選択肢を用意して寺の務めを果たしたい」。寺の職員のミーティングにビデオ会議システムを使っていたこともあって実施を決め、4月に檀家(だんか)に通知した。

 参加は簡単だ。寺に法事の日時を申し込み、テレビ会議システムのアプリをパソコンやスマートフォンにダウンロードして、当日送信されるメールのURLを時間に合わせてクリックすればいい。

 同寺では、これまで3回行った。内容は通常と一緒だが、焼香の代わりに線香や合掌でもいいとした。施主だけ寺を訪れて他の人はオンラインで行うなど、希望に沿って形も変える。親戚同士もつながっているので法事の後、互いに近況報告する様子もみられたという。

 高梁市川上町領家の宝鏡寺でも3月から始め、5件の法事をオンラインで実施した。関東、関西圏の親族の帰郷が難しいケースや、世間の目を気にして集まれない人がいたという。

 同寺はオンライン以外にも、少人数がマスクを着用して社会的距離を取って行う方法や、お墓など屋外での実施を選択肢として示している。樋口三城住職は「場所や方法は違えども、供養したいという気持ちは変わらない」と話している。

 全国的にも関東の住職有志10人が、新型コロナの影響で法事ができないという声に応え、オンラインで法事を行う一般社団法人・法要普及協会(東京)を4月に立ち上げた。タブレット端末を3台まで無料で貸し出すなどして、関東や東北地方の人が施主となり、約30件実施したという。

(2020年06月03日 21時32分 更新)

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