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愛生園入所者 山本さん個展始まる 岡山、風景や静物画 緻密に

緻密な描き込みが特長の山本さんの作品
緻密な描き込みが特長の山本さんの作品
 国立ハンセン病療養所・長島愛生園(瀬戸内市邑久町虫明)の入所者で絵画を描き続けている山本一雄さん(87)による個展「遠い記憶」が3日、岡山市東区吉井のギャラリー722で始まった。緻密に表現された岡山県内の風景や静物画などが並ぶ。26日まで。

 山本さんは県北東部出身。若い頃にハンセン病を発症し、1970年頃に愛生園へ入所した。これまで約200点の絵画を園内で制作してきた。

 油絵を中心に13点を展示。細かな描き込みが特長で、女びなをモチーフにした「憧憬(しょうけい)」は着物の繊維一本一本まで細かく表している。県内の山間部や港のデッサンを基にした風景画は、冬の景色ながら日の光が差す温かみのある作品に仕上げている。ハンセン病患者が描かれた映画「砂の器」から着想を得た力作や、愛生園の風景を描写した水彩画もある。

 ギャラリー722のオーナー山口聡一郎さん(64)は「繊細で見ていて飽きないのが魅力。長い時間をかけて作品に込められた山本さんの思いを感じてほしい」と話している。

 入場無料。午前10時~午後6時。水、木曜休み。

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