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土による自由な造形堪能 岡山の「走泥社」展 会期終盤

土による自由な造形が並ぶ「走泥社再考」展
土による自由な造形が並ぶ「走泥社再考」展
 戦後50年にわたり活躍した前衛陶芸家集団を紹介する特別展「走泥社再考―前衛陶芸が生まれた時代」(山陽新聞社など主催)は会期終盤。会場の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)には29日もファンらが訪れ、自由な造形を堪能した。

 走泥社は1948年、八木一夫、鈴木治、山田光ら京都の陶芸家5人が結成。伝統や実用性にとらわれない「オブジェ焼」を確立したことで知られ、岡山での大規模な回顧展は初めて。

 同人の作品を中心に約180点を展覧。同時代に前衛陶芸を手がけた四耕会の創立メンバーでもあった林康夫の「ホットケーキ」は陶製ながらふっくらした質感を伝え、山口・萩焼の名家に生まれた三輪龍作の「LOVE」は、巨大な瓶から液体が流れ出す様を表現した。日本陶芸に影響を与えたピカソやイサム・ノグチの作品も並ぶ。

 岡山市の大学教授(60)は「これまでにないものを生み出そうとした熱意が伝わってきた」と話した。

 4月7日まで。1日休館。

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