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小田川合流点付け替え事業が完了 真備で式典、復興の節目祝う

真備緊急治水対策プロジェクト完成記念式典で小田川と高梁川の合流点付け替え事業完了などを祝う関係者
真備緊急治水対策プロジェクト完成記念式典で小田川と高梁川の合流点付け替え事業完了などを祝う関係者
小田川合流点付け替え事業が完了 真備で式典、復興の節目祝う
 2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市真備町地区で、国土交通省と岡山県、倉敷市が進めてきた「真備緊急治水対策プロジェクト」の完成記念式典が23日、同町箭田のマービーふれあいセンターで開かれた。地区を流れる小田川と高梁川の合流点付け替え事業が同日をもって完了となり、行政関係者や住民が復興の大きな節目を祝った。

 付け替え事業をメインとするプロジェクトは19年2月に策定。豪雨では高梁川が増水して小田川から水が流れ込まなくなる「バックウオーター現象」が起こり、小田川や支流の決壊、氾濫につながったとされる。同6月に始まった工事では約5年の期間と約474億円の総事業費をかけ、旧合流点近くにあった柳井原貯水池を活用して小田川のバイパスを整備するなど合流点を約4・6キロ下流に移し、大雨でも水が流れやすいようにした。

 約550人が出席した式典では、豪雨の犠牲者に黙とうをささげた後、小鑓隆史国土交通政務官が「流域住民の暮らしがより安全なものになった。引き続き安全確保に努めていく」とあいさつ。伊原木隆太知事や伊東香織市長が「事業は地域住民の長年の悲願だった。これを礎とし、災害に強く魅力あるまちづくりにつなげる」などと述べた。

 プロジェクトではこのほか、小田川支流の堤防強化などハード事業をはじめ、住民が避難行動を事前に決めておく「マイ・タイムライン」の作成支援といったソフト事業に取り組んできた。

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