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サポート詐欺 巧妙な手口 冷静に対処を

サポート詐欺 巧妙な手口 冷静に対処を
 「このパソコンはウイルスに感染しました」

 「すぐにサポートセンター(▲▲―▲▲▲▲―▲▲▲▲)に電話してください」

 パソコンでインターネットのサイトを閲覧中、画面に突然、こんな警告が表示される手口が一般的だ。ウイルス除去といった対策費名目で金銭をだまし取る「サポート詐欺」である。警察庁によると、昨年の特殊詐欺の被害で目立ったという。

 虚偽の警告は、次々と画面の最前面に飛び出すように表示されるポップアップで出てくる。けたたましい警告音やメッセージの音声が流れることもある。巧妙な手口で利用者を焦らせ、画面に掲載された偽のサポートセンターに電話するよう誘導される。

 利用者が電話をかけると、相手から「パソコンがウイルスに感染している。ウイルスを除去するため、近くのコンビニで電子マネーのプリペイドカードやギフトカードを購入して、カードに記載されたコードを伝えてほしい」などと求められる。

 言われた通りにすると、カードを購入した代金分が詐欺被害に遭う。被害を防ぐには冷静な対処が必要だ。警告が出た段階で、パソコンのブラウザー(閲覧ソフト)を終了したり、パソコンを再起動したりする措置を講じたい。

 サポート詐欺など2023年の特殊詐欺の認知件数は前年比8・3%増の1万9033件となり、直近10年間で最多となったことが警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。被害額は19・0%増の441億2千万円で直近10年間では3番目に多かった=グラフ。

 主な手口別では、サポート詐欺を含む架空料金請求詐欺が前年比75・8%増の5136件だったのをはじめ、保険料や税金などの返還をかたる還付金詐欺が10・6%減の4184件、警察官や金融機関職員を装いカードや通帳を直接だまし取る預貯金詐欺が15・7%増の2734件など。

 岡山県内では、認知された昨年の特殊詐欺被害は182件、6億780万円で8年ぶりに6億円を超えた。県内でも、パソコンの修理費名目でだますサポート詐欺などの架空料金請求詐欺が急増した。

 特殊詐欺は03年に、子や孫を装う「おれおれ詐欺」が社会問題となって以降、摘発を逃れるように多様で巧妙な手口が横行してきた。ただ、高額な電子マネーカードの購入希望者に対してコンビニ店員が積極的に声をかけるなどで被害を防ぐケースは少なくない。高齢者や家族ら一人一人が手口を知って防犯意識を高め、被害を根絶したい。

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