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消えるみどりの窓口

 新年度まで2週間余り。新しい土地で生活を始める人もおられよう。鉄道を乗り継いでの最短ルートをネットで検索。座席を予約する人も増えてきた▼だがネットが使えない、駅の自動券売機で買えない切符が欲しいという客は、JRの「みどりの窓口」に向かう。対面で相談もできる。国鉄時代の1965年に登場した▼その窓口がどんどん減っている。JR西日本管内では2020年度に約340駅にあったが30年度末には約100駅に縮小される。岡山県内では現在、岡山、高島、北長瀬、大元、倉敷、新倉敷の6駅に残るだけ。今年になって津山、新見駅で姿を消した▼学生割引や障害者割引など証明書の確認が必要な切符は、みどりの窓口が特に大きな頼りになってきた。そもそも有人窓口でないと分からないほど切符の種類は多く、ルールも細かい。閉鎖への反発は大きい▼代わってモニター越しにオペレーターと会話できる券売機の設置を進めるが、長く待たされる上に使いにくいと評判が悪い。みどりの窓口に並ぶ列は以前にも増して長くなり「乗車予定の列車に間に合わない」などと不満の声が上がる▼JRは閉鎖の理由について人手不足に伴う駅業務の効率化やネット予約の普及を挙げる。暮らしを支える大切な役割を担う企業だ。客との距離が遠くなっていくとしたら残念だ。

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