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不安減へ継続的な健康調査求める 吉備中央・有害物質で外部委員会

提言をまとめた報告書を山本町長(右)に手渡す頼藤委員長
提言をまとめた報告書を山本町長(右)に手渡す頼藤委員長
 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物が検出された問題で、住民の健康対策を調査する外部委員会は15日、山本雅則町長に報告書を提出した。継続的な健康調査を最重要と位置付け、不安軽減を図るよう求めている。町は来週にも対策の方針を示す。

 報告書は最も重要な対策として、既存の健診やがん検診を活用して健康状態を継続的に把握するよう提言。加えて、妊産婦や子どもに対する科学的助言や相談体制の整備、住民説明会を通じた健康情報の周知などを掲げている。

 住民要望が強い血液検査については、血中濃度を知ることで「ストレスから解放されるかもしれない」とする半面「濃度の医療的な低減策が確立されておらず、かえって不安が増す可能性がある」とするなど利点と懸念点を明記。町に対策の判断材料にしてもらうとした。

 同日、外部委委員長の頼藤貴志岡山大大学院教授が町賀陽庁舎で山本町長に報告書を手渡した。町は内容を基に、血液検査を行うかなどの具体策を決める。

 2人は記者会見し、頼藤委員長は「提言を実行することで住民の不安解消につなげてほしい」、山本町長は「住民の思いをくんだ方向性を出し、町としてやるべきことをやる」と述べた。

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