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命のいとおしさと生き抜く緊張感 ノウサギ 長い耳と太い後ろ足

夜の森を軽やかに跳ねるノウサギ=2月7日午後7時16分、美作市
夜の森を軽やかに跳ねるノウサギ=2月7日午後7時16分、美作市
 陸ではキツネやテン、空からはタカやフクロウなどの猛禽(もうきん)類―。天敵をいち早く発見し、逃げ延びるために発達した長い耳と太い後ろ足。美作市で夜間に撮影したノウサギの写真からは、命のいとおしさとともに弱い者が生き抜く緊張感が伝わってくるようだ。

 「昔に比べたら少のうなったなぁ」

 ノウサギを撮った同市で、犬のビーグルを使ってウサギ狩りをしていた猟師さんがぽつりと言った。

 〈兎(うさぎ)追いしかの山、小鮒(こぶな)釣りしかの川…〉

 今も歌い継がれる唱歌「ふるさと」。その歌詞を思い浮かベながら、ふと手作りの竹竿(ざお)で鮒釣りに夢中になった遠い昔の記憶がよみがえってきた。

 押しつぶしたようなノウサギのふんを見ることはまれで、今では竹竿を持った子どもたちを見かけることもほとんどない。

 「ふるさと」の原風景は心の中からも消えつつある。

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