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健康に配慮した飲酒の目安

 左党にとって厳しいデータを突きつけられた。厚生労働省が先月公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」。がんや脳梗塞などの疾患別にリスクを高める飲酒の目安が初めて示された▼指標は酒量ではなく1日当たりの純アルコール量。大腸がんや前立腺がんは20グラム。乳がんは14グラム。脳梗塞は男性40グラム、女性11グラムでリスクが高まる。高血圧や男性の胃がん、食道がんはこれらより少なくても発症しやすくなるという。20グラムとはビール中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーのダブル1杯に相当する。その量の少なさには驚くほかない▼指針では短時間での多量の飲酒を避けることや、1週間のうち飲まない日を設けることを求めている。飲む際はあらかじめ飲酒量を決めておくことが大切とも指摘する▼策定に携わった慈圭病院(岡山市)の堀井茂男理事長は「体への影響は性別や年齢、体質によっても異なる。ガイドラインを参考に、ほどほどの飲酒に努めてほしい」と話す▼酒は百薬の長という。全く飲まないよりも適量をたしなんだ方が健康に良いといわれてきた。今後はこの言葉を都合よく使うのはやめた方がよさそうだ▼とはいえ、ほどよい飲酒は心に潤いと安らぎを与えてくれる。春は別れの季節。花見シーズンも間もなく。飲む機会も増える。上手に酒と付き合っていきたい。

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