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踏切事故根絶したい

 楽しい時はあっという間なのに退屈な時間はなかなか進まない。誰もが経験する感覚である。長く感じられる例に、踏切の待ち時間が挙げられよう▼JR岡山駅に近く駅東西の行き来の要である「北方第一踏切」は山陽、津山線が走り、ラッシュ時は1時間のうち計28分間も遮断機が下りる。交差する岡山市道は車や自転車、歩行者で混雑し、安全面の懸念もある。市は駅東西を結ぶ陸橋につながる道を拡幅して交通の分散を図る▼そんな開かずの踏切ならぬ、“開いたまま”の踏切の安全はどうか。JR西日本は遮断機と警報機のない「第4種踏切」での事故を防ぐため、利用者が手動で開ける新型ゲートの設置を2月に岡山県内でも始めた▼第4種は廃止するか、遮断機と警報機を伴う第1種に転換してきたが地元との協議が欠かせず時間がかかる。開発した新型ゲートは電気を使わず手で動かす簡易なタイプ。低コストで設置の工期も短い▼農村や山間部に多い第4種は列車の本数が少ないため油断したり、イヤホンをしていたりすれば列車が近づく音に気づかない恐れがある。大がかりな第1種化が必要ない地域ではゲートが恒久的な対策になるかもしれない▼渡る前に立ち止まり、左右を確認してゲートを上げる。踏切から出る際は前に押すか、持ち上げる。踏切事故の根絶につなげたい。

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