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岡山でも売り手市場傾向強く 会社説明会解禁 100社合同開催

約100社・団体が参加して岡山ドームで開かれた合同企業説明会
約100社・団体が参加して岡山ドームで開かれた合同企業説明会
 2025年春卒業予定の大学生らを対象にした会社説明会が政府主導のルールで解禁された1日、岡山ドーム(岡山市北区北長瀬表町)で合同企業説明会(合説、山陽新聞社主催)が開かれた。少子化や慢性的な人手不足で学生優位の売り手市場の傾向が強まっており、各社は働きがいや福利厚生の充実などを懸命にアピールした。

 製造や小売り、運送、金融機関など岡山県内を中心に約100社・団体が参加。オフィス関連機器販売のワークスマイルラボ(同市)は、石井聖博社長が自らブースで講演した。会社の理念や仕事に対する熱意を重点的に伝えたといい、「知名度や給与などの条件で大手に勝つのは難しい。直接顔を合わせ、当社を理解し共感してもらえる人材を見つけたい」と話した。

 「学生に認知してもらうことが最初のハードル」とするのは、産業機械メーカー・モリマシナリー(赤磐市)の採用担当者。自社が参加する合説の日程や社内の様子を昨年12月から交流サイト(SNS)で発信するなど広報を強化している。「合説は周囲のライバルや学生の様子を直接確認できる良い機会。しっかりアピールし、選考の応募数を増やしたい」とした。

 会場には学生約310人が来場。各ブースで採用担当者から会社の事業内容や募集要項などの説明を受け、メモを取りながら真剣に聞いていた。

 県内での就職を志望する岡山理科大経営学部3年生(21)は「多くの企業を見て業界の方向性を決めたい。対面で社員の雰囲気をうかがい、自分に合った企業を見つけられたら」と話した。

 岡山労働局によると、24年春卒予定の県内大学生の就職内定率は74・4%(23年11月末時点)。前年同月より4・2ポイント高く、上昇基調だった新型コロナウイルス禍前(19年の同月末)と同水準に回復した。県内の就職支援会社などは売り手市場は当面続くとみている。

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