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郷原漆器生産振興会 最後の作品展 岡山で開幕、汁椀など200点

美しい木目が浮かぶ郷原漆器の椀を手に取り、じっくりと吟味するファン
美しい木目が浮かぶ郷原漆器の椀を手に取り、じっくりと吟味するファン
 真庭市蒜山地域に伝わる岡山県重要無形民俗文化財・郷原漆器の生産を担ってきた郷原漆器生産振興会(高山雅之会長)の最後の作品展が21日、岡山市北区表町の天満屋岡山店5階美術ギャラリーで始まった。同会は会員の高齢化などを理由に3月末での解散を決めており、初日から多くのファンが駆けつけた。27日まで。

 真庭市産のクリの生木をひき、あめ色の透(す)き漆で木目の美しさを引き出した汁椀(わん)や飯椀を中心に約200点を出品。長年愛用しているという岡山市北区の女性(61)は「手取りが良く、温かみのある風合いが魅力。解散は残念だが、また新たな形で続いてほしい」と一点一点じっくりと選んでいた。

 郷原漆器は、室町時代に起源を持ち、戦後に途絶えたものの、1989年に県郷土文化財団が復興事業を開始。92年に同会が発足し、普及に取り組んできた。4月からは、米国出身で鏡野町在住の木工作家デービッド・ディロングさんの団体が生産を継承する。

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