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太陽光パネル ガラス再利用に成功 一般財団法人・PVリボーン協会

使用済み太陽光パネルから抽出したカレット(手前)と製造したカバーガラス
使用済み太陽光パネルから抽出したカレット(手前)と製造したカバーガラス
使用済み太陽光パネルから抽出したカレットで製造したカバーガラス(右下)について説明する藤井代表理事
使用済み太陽光パネルから抽出したカレットで製造したカバーガラス(右下)について説明する藤井代表理事
 太陽光パネルのリサイクルを目指す一般財団法人・PVリボーン協会(岡山県西粟倉村坂根)は19日、使用済みパネルから抽出したカレット(ガラスくず)を使い、パネルの表面を覆うカバーガラスの製造に成功したと発表した。

 太陽光発電システム開発・販売の新見ソーラーカンパニー(新見市下熊谷)が開発した、高温の蒸気でパネルを熱分解する技術でカレットを回収。岡山セラミックスセンター(備前市西片上)の分析で有機物や金属の混入がないことを確認し、倉敷市のガラス作家水口智貴さんが約20センチ角のカバーガラスを試作した。

 同協会は、使用済みパネルを原料に戻して新たなパネルに再生する「水平リサイクル」を目指している。廃棄されるパネルの約7割をガラスが占めるといい、藤井尊久代表理事は「今回の成功は水平リサイクルに向けて大きな一歩となった。2025年度には全ての材料を再生できる技術を確立したい」と話した。

 同協会はまた、分解後のガラスをリサイクル企業から買い取り、ガラス製品の原料として工芸作家らに販売する計画も示した。パネルに使われるガラスは年々、薄くなっており、古いパネルを再生する際に余剰となるガラスを工芸用に利用する狙い。

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