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「夜明けのすべて」(2024年、日本) 暗い時間の豊かさを知る

 シネじい うう、ううう。

 黒じい なにをうめいている?

 シネじい 痛い…。

 黒じい 「心が」とか言うつもりだろ。その手は食わんぞ。

 シネじい 逮捕状で放心。

 黒じい またなんかしでかしたのか?

 シネじい 「また」とは聞きずてならんな!

 黒じい じゃあ、なんなの?

 シネじい 「帯状疱疹(ほうしん)」の間違いだった(笑)。

 黒じい 聞いているこっちが放心するわ!

 シネじい 放心状態になるほどマジで痛いじょー。帯状だけに(笑)。おかげでせっかくの連休は、体力、気力を奪われて何もできなかった。「シン・ゴジラ」で、エネルギーを放出しきったゴジラみたいになっていたぞ。

 黒じい 何言っているか、よく分かりませんが(笑)。

 シネじい こんな時には人間の真実が分かるな。「早く病院へ行ってください」「ひどくなって入院した人を知ってます」と心配してくれる同僚もいれば、「それ悪い病気間違いなしですよ。クッククックー」と不謹慎な冗談を言って笑うやつもいた。

 黒じい 「クッククックー」って桜田淳子か! 痛みを知らないやつは、他人の痛みを理解できないってことだよな。困ったもんだ。

 シネじい 今回取り上げる「夜明けのすべて」は、まさにそんな作品だ。主人公は生きづらさを感じる2人。PMS(月経前症候群)と呼ばれ、毎月生理の前になると情緒不安定になりイライラがつのる藤沢(上白石萌音)と、パニック障害に苦しむ山添(松村北斗)。ちなみに私は更年期障害に苦しみました。...
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