鳥取県立中央病院（鳥取市）は１２日、救命救急センターが昨年１２月、消防の救急救命士の医療行為に必要な医師による指示を出すことを拒否していたと明らかにし謝罪した。１０日間で患者３人への指示を出さず、うち１人のケースでは医師から救急隊員へのパワハラもあったという。

　病院によると、昨年１２月５日、患者を搬送する際に救急救命士が行う処置の手順書の内容が不十分だとして、救命救急センター長の医師が県東部広域行政管理組合消防局に「中央病院への指示の要請には応じられない」という趣旨のメールをした。

　センター長の意向を受け、同病院は同月５～１４日、患者３人に対する医療行為を指示するよう消防から要請があったが応じなかった。患者３人には他の病院が指示を出し、拒否による影響はなかった。

　同月１２日には、患者を搬送してきた救急隊員に対し、パワハラに該当する高圧的な態度や冷淡な対応を取ったという。

　同病院の広岡保明院長が記者会見し「指示の要請に応じない正当な理由はなかった。深くおわびしたい」と謝罪した。