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全国バス事業者99% 運転手不足 両備グループ研究所の調査結果

全国バス事業者99% 運転手不足 両備グループ研究所の調査結果
 両備グループのシンクタンク・地域公共交通総合研究所(岡山市北区錦町)は14日、運転手の残業規制が強化される「2024年問題」について、全国のバス事業者を対象に行った調査結果を発表した。99%が運転手不足と回答。雇用促進以外の対策として5割近くが減便、約3割が路線廃止を計画するなど厳しい実態が浮かび上がった。

 運転手不足と答えた事業者のうち、10月時点での不足人数は「1~5人未満」が25%と最も多く、「5~10人未満」が21%、「10~15人未満」「30人以上」が各16%―と続いた。

 雇用促進以外の対策(複数回答)としては、「減便」と答えた割合が47%、「路線廃止」が34%だった。「その他」(43%)には地元自治体との協議中といったケースが含まれており、減便や路線廃止が今後増える可能性があるという。

 24年4月からの残業規制の適用についても質問。「延期するべき」が44%、「延期するべきではない」が41%とほぼ拮抗(きっこう)。延期期間は多い順に「無回答」が56%、「4年以上」が16%、「3年」が15%となった。

 同研究所は同日、結果を基に、規制強化への対応が困難な事業者に対する適用の延長措置や地方公共交通維持に向けた提言を国などに行った。小嶋光信代表理事は「地方交通の崩壊が地域の崩壊へとつながる危険水域に入っている。待遇改善を可能にする企業体質をつくることが急務だ」と述べた。

 調査は11月、日本バス協会会員のうち、30台以上のバスを保有する308社を抽出して郵送で実施し、68社が答えた(回答率22%)。

 日本バス協会によると、22年度の輸送規模を維持する場合、運転手の高齢化などで24年度は必要人数の12万9千人に対し、2万1千人が不足する見通し。

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