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芸備線再構築協「設置なら参加」 岡山、広島の2県2市が意向

岡山、広島県、新見、庄原市が再構築の協議を始める意向を示したJR芸備線=新見市
岡山、広島県、新見、庄原市が再構築の協議を始める意向を示したJR芸備線=新見市
芸備線再構築協「設置なら参加」 岡山、広島の2県2市が意向
 岡山、広島両県にまたがるJR芸備線の利用低迷区間について、両県と沿線の新見、庄原市は27日、存廃を話し合う国の「再構築協議会」が設置されれば参加する意向を表明した。国からの意見聴取に対して2県2市がそれぞれ答えた。国はこれを受け、協議会を設置する方向で調整を進める方針を明らかにした。

 岡山県と新見市は、同市が設けている既存の法定協議会で議論するのが望ましいとしながらも、再構築協が設置されれば参加すると答えた。その際には、岡山側の意見を十分に反映し、同市全体に与える影響にも配慮するよう求めた。

 広島県と庄原市は、存廃議論の対象になると見込まれる備中神代(新見市)―備後庄原(庄原市)間だけでなく、より広域な観点で議論するのが望ましいと回答。同県は「庄原市以外の全沿線市とも議論できるよう調整する必要がある」とし、広島市、三次市なども協議に加わるべきだという考えをにじませた。

 自治体の回答を受け、事務局の国土交通省中国運輸局は「再構築協を設置する方向で検討したい。構成員など組織の在り方については地元自治体の意見を聞きながら慎重に考えていく」と取材に答えた。また、JR西日本は「国による支援で議論が前に進んでいけばいい」と受け止めた。

 芸備線を巡ってはJR西が昨年5月、2県2市に存廃を含む議論を求めたが、自社単独で路線を維持できないとするJR側と、廃線を警戒する自治体側の間で主張がすれ違い、議論が停滞した。このためJR西は今年10月、国を行司役に沿線自治体と議論する再構築協の設置を全国で初めて申請。国は自治体側に参加の意向などを聴取していた。

 備中神代―備後庄原は輸送密度(1キロ当たりの1日平均利用者数)が2019年度で48人とJR西管内で最低水準。年8億円超(17~19年平均)の赤字が発生している。

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