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有害物質 国目標値の1240倍 吉備中央の沢、岡山県が新たに確認

有害物質 国目標値の1240倍 吉備中央の沢、岡山県が新たに確認
 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、周辺の沢から国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム=ナノは10億分の1)の1240倍に当たる6万2千ナノグラムの濃度が新たに検出されたことが9日、関係者への取材で分かった。浄水場に流入する沢の最上流部に当たる地点で、PFASの発生源を特定するため岡山県が進めている水質調査で確認された。

 検出地点近くの道路沿いに廃棄物などを収納する大型土のう「フレコンバッグ」が複数置かれていることも判明。県が内容物の分析を慎重に進めている。関係者によると、現時点でPFAS排出との関連ははっきりしていないという。

 検出されたのはPFASのうち、代表的物質である「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」で発がん性などが指摘されている。円城浄水場が取水する河平ダムに流れ込む沢で確認され、これまでの県の調査で検出されていた最高値(3700ナノグラム)の約17倍に相当する。別の複数地点からも国の目標値を大きく上回る濃度が新たに検出された。

 この問題を巡っては、吉備中央町が10月、円城浄水場から2020年度以降、目標値を上回る濃度を検出していたと公表。その際、県への報告を怠ったり、虚偽の内容を伝えたりしていたことも明らかになった。県は問題発覚後、周辺のダムや河川などでPFASの発生箇所を絞り込む水質調査を重ねている。

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