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首相ら給与「増額し自主返納」へ 政府、与野党の凍結論受け

 首相官邸に入る岸田首相=8日午前
 首相官邸に入る岸田首相=8日午前
 政府は、岸田文雄首相や閣僚の年収が増える国家公務員特別職の給与法改正案を巡り、成立後に増額分を自主的に返納する方向で検討に入った。野党が批判を強め、与党内でも引き上げ凍結論が浮上した現状を踏まえた。返納の対象を副大臣・政務官にも広げるかどうか調整する。政権関係者が8日、明らかにした。

 改正案は同日、衆院内閣委員会で審議入り。10日に採決される予定で、立憲民主党は採決に先立って増額を凍結する修正案を提出する方針だ。自民党幹部は、改正案の修正は困難だとして「増額への批判に対応するには、自主返納しか手段がない」と指摘した。

 立民など野党は国民が物価高に苦しむ中、増額は不適切だと問題視している。公明党の高木陽介政調会長は会見で「凍結という考え方があってもいい」と明言。自民の高木毅国対委員長も記者団に「状況を考えると、給与引き上げはなかなか厳しい」と語った。

 立民の泉健太代表は福島県南会津町で「優先すべきは民間の賃上げだ。国民感覚があれば取り下げるはずだ」と記者団に強調。共産党の穀田恵二国対委員長も会見で「廃案にするのがけじめだ」と訴えた。

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