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知事「発生源突き止め早く除去」 吉備中央の有害物質検出問題で

岡山県吉備中央町の浄水場などで有害物質が検出された問題について見解を述べる伊原木知事
岡山県吉備中央町の浄水場などで有害物質が検出された問題について見解を述べる伊原木知事
 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)や周辺のダムなどから有害な有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))が検出された問題について、伊原木隆太知事は26日の定例記者会見で「発生源を突き止め、除去する作業にできるだけ早く入りたい」との考えを示した。発生地点の特定に向けてエリアを拡大しながら水質調査を急ぐ方針だ。

 円城浄水場では少なくとも2020年度以降、国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム=ナノは10億分の1)を大幅に超える1400~800ナノグラムを検出していたことが吉備中央町の検査で判明。さらにはこれを受けた県の調査で、浄水場が取水しているダム上流で目標値の74倍に当たる1リットル当たり3700ナノグラムが検出された。

 県によると一帯は山林が広がり、PFASが使われる半導体や金属メッキを取り扱う工場などは立地していない。伊原木知事はこうした状況を踏まえ、発生要因について「現時点では何らかの不法投棄があった可能性が高い」とも述べた。

 一連の問題では、吉備中央町が浄水場の検査結果を公表していなかったり、県に事実と異なる報告をしたりしていたことが明らかになっており、知事は「本来であればもっと早く対応ができたはずだ。遺憾と言わざるを得ない」と指摘した。

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