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ブレイキン 体育導入へ指導法模索 岡山大付属小 県協会から講師派遣

ダンスバトルで技を披露する児童たち
ダンスバトルで技を披露する児童たち
 岡山大付属小(岡山市中区東山)が、来夏のパリ五輪で初採用されるブレイキン(ブレイクダンス)の体育授業への導入に向け、指導法の開発に取り組んでいる。ダンスの技能に加え、独創性も重視されるブレイキン。同小は「自由な表現力を引き出す有効な教材」と捉え、専門家の協力を仰ぎながら授業の進め方を模索している。

 ブレイキンは動きの独創性や音楽に合わせて表現する即興性に加え、相手と踊りを見せ合って競うゲームの要素も含む。決まった振り付けを覚えて表現するダンスに比べて自由度が高く、同小の松本拓也教諭(44)が「身体能力に関係なく子どもは個性を出せる」と着目した。

 同小は県ブレイキンカルチャー協会(北区北長瀬本町)の協力を得て、5年生約100人が協会の講師から技の生み出し方を学ぶ6回の授業を計画。同協会が学校の授業に講師を派遣して児童を指導するのは初といい、教員の指導法開発に携わるのも全国的に珍しいという。

 9月25日からダンス経験がない教員も参加して授業を始め、今月5日には約30人が3対3のダンスバトルに挑戦した。互いをダンサーネームで呼び、DJが流す音楽に合わせてステップを刻みながら得意の開脚や回転技を披露。女子児童(10)は「相手の動きを参考にすると新しい技が次々と思い浮かんだ」と喜んだ。

 指導法を一般化させるには、段階を追った授業の進め方とともに評価基準の構築も必要という。ブレイキンは自由な表現を重んじるだけに「どこまで基礎的な動きを教えるか、どう評価するかが課題だ」と松本教諭。「技の意味や相手の良かった点を考える教材としての価値はある。自己表現や他者理解につなげられる教材にしたい」と話し、来年度以降も試行するという。

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