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「水俣病の原点」排水口取り外し 市、患者団体と保存手法議論へ

 「百間排水口」から取り外された木製ゲート=16日午前、熊本県水俣市
 「百間排水口」から取り外された木製ゲート=16日午前、熊本県水俣市
 熊本県水俣市は16日、メチル水銀を含む有毒な工業用水を排出し「水俣病の原点」とされる同市の「百間排水口」木製ゲート4基のうち2基について、老朽化が進んだとして取り外した。県は今後保存の手法について患者団体と議論する。8月末までに残る2基の工事完了を目指している。

 工事したのは海水の逆流を防ぐため、1999年に設置されたゲート。腐食が比較的穏やかで、工事が容易な2基を先行実施した。

 市民団体「水俣の歴史的遺構を残す会」は同日、市内で会見を開いた。代表の加藤タケ子さん(72)は「100年後も水俣病患者たちの苦しみやもがきがきちんと伝わるようにしたい」と述べ、文化財指定を求めた。

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