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ファジ佐野「夢へチャレンジ」 オランダ1部完全移籍で会見

移籍会見でファンやクラブへの思いを語る佐野航大=岡山市
移籍会見でファンやクラブへの思いを語る佐野航大=岡山市
 サッカーのオランダ1部リーグ、NECナイメヘンに完全移籍するファジアーノ岡山のMF佐野航大(19)=津山市出身=が15日、岡山市内で記者会見を開いた。愛着のある地元クラブをシーズン途中で離れることに葛藤を抱えながらも「ワールドカップ(W杯)で活躍するという夢に近づくために、今チャレンジしたい」と率直な思いを語った。

 ファジアーノ所属選手の欧州移籍は初。佐野は3試合に先発出場した5月のU―20(20歳以下)W杯アルゼンチン大会の経験を挙げ、「自分の甘さを痛感した。海外選手と戦う中で、早く欧州でプレーしたい気持ちが高まった」と決断の理由を説明。新天地では、ボランチやサイドで勝負する考えを示した。

 ファジアーノに在籍した1年半を振り返り「短い時間だったが、本当に濃かった。苦しい時ほど前向きな言葉をかけてくれた」とファンへの感謝を口にした。ファジアーノによると渡欧後、正式契約を結ぶという。

 佐野は2022年に鳥取・米子北高から入団し、J2通算48試合5得点。3歳上の兄海舟はJ1鹿島でプレーしている。

一問一答

 会見に臨んだ佐野は、穏やかな表情で質問に応じた。

 ―ファジアーノ岡山に在籍した1年半を振り返って。

 「プロサッカー選手になりたいと強く思うようになったきっかけをくれたクラブ。過ごした時間は短かったが、本当に濃かった。スピード感や強さに圧倒され、うまくいかない時期もあった。それでも試合に使ってくれる中で自信を持てるようになり、メンタル的にも大きく成長できた。今の自分があるのはファジアーノのおかげだ」

 ―印象に残る試合は。

 「ホーム戦初ゴールを決めた昨季の町田戦。ずっと追いかけている兄貴(海舟)が当時、町田にいて、力を見せつけてやろうと気合を高めていたのでとてもうれしかった。初の『ヒーローインタビュー』も受け、忘れられない試合になった」

 ―オランダではどんなプレーを思い描く。

 「W杯で起用された中盤、ファジアーノで1年任されたサイドの経験を武器にする。特にドリブルにこだわりたい。どこの位置でも1人、2人をかわせれば一気にチャンスメークができる。木山監督からもずっとそう言われ続けてきた」

 ―来年はパリ五輪が開催され、23歳以下の選手が主力となる。

 「自分たちの年代(20歳以下)でも飛び抜けることができれば選ばれると思っている。絶対に代表に入るという強い思いを持ちながら、オランダからアピールしていく」

 ―ファンに一言。

 「苦しい時ほど前向きな言葉をかけてくれ、頑張って次は勝つぞって気持ちにいつもしてもらえた。本当に感謝しかない。自分が選んだ道に自信を持って進みます。行ってきます」

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