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ロシアで初の国定歴史教科書 侵攻正当化、9月から使用

 7日にモスクワで行われた記者会見で披露されたロシアの国定歴史教科書(タス=共同)
 7日にモスクワで行われた記者会見で披露されたロシアの国定歴史教科書(タス=共同)
 初の国定歴史教科書を手に記者会見するロシアのメジンスキー大統領補佐官=7日、モスクワ(タス=共同)
 初の国定歴史教科書を手に記者会見するロシアのメジンスキー大統領補佐官=7日、モスクワ(タス=共同)
 ウクライナ侵攻を続けるロシアで9月1日の新学年開始を前に、国が編さんした初の全国統一歴史教科書が完成した。ウクライナを「極端な民族主義国家」と位置付け、侵攻の目的は東部のロシア系住民保護やロシアの安全確保にあると正当化している。侵攻長期化を受け、若い世代に政権の歴史観を植え付けようとする試みが具体化した。

 国定歴史教科書は、まず日本の高校生に当たる10、11年生の授業で使われる。7日にクラフツォフ教育相と共に記者会見したメジンスキー大統領補佐官は、来年9月の新学年までには低学年向けの国定教科書も完成すると述べた。

 ロシアメディアによると、侵攻には特別に一章が割かれた。ロシアを「英雄の国」と表現し、侵攻で戦死し表彰された人物が紹介されている。

 「作戦はウクライナ東部住民への攻撃を終わらせるために始めた」とのプーチン大統領の発言も引用。「特別軍事作戦は社会を団結させ、軍人や戦地住民への支持が集まった」とし、欧米などの対ロ制裁を「完全に不法」と説明している。

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