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廃棄食材の缶詰使い社会課題解決 高校生コンテスト、矢掛高最優秀

缶詰の活用法を発表し、最優秀に選ばれた矢掛高やかげ学チーム=7月22日、岡山市
缶詰の活用法を発表し、最優秀に選ばれた矢掛高やかげ学チーム=7月22日、岡山市
「サカナ」と「ニク」の缶詰
「サカナ」と「ニク」の缶詰
廃棄食材の缶詰使い社会課題解決 高校生コンテスト、矢掛高最優秀
 食べられるのに廃棄される食材で作った缶詰を使い、社会課題を解決したい―。そんな熱い思いを持った岡山県内の高校生が、活用法を発表するコンテストが岡山市で開かれた。レシピ考案やイベント企画など多彩なアイデアが次々に飛び出し、最優秀には学校給食メニューへの採用を提案した矢掛高(矢掛町)のチームが選ばれた。

 コンテストは一般社団法人コノヒトカン(倉敷市)が主催し昨年に続き2回目。今回は55チームがエントリーし、1次審査を通過した20チームが7月下旬に発表した。

 最優秀の矢掛高「やかげ学チーム」は3年野宮康生さん(18)、田尻愛結さん(18)、木山風花さん(17)が登壇した。矢掛町内の7小1中で1日に計25キロの給食残飯が発生していると給食センターで聞いたのを機に「缶詰を使った料理を給食に取り入れてフードロス問題を考えるきっかけにし、廃棄される残飯をゼロにする」と声をそろえた。

 同高をはじめ計7チームが入賞し、缶詰が贈られた。今後、各チームが缶詰活用のアイデアを実行に移していく。

 審査員を務めた同法人の三好千尋代表は「素晴らしいアイデアばかり。さまざまな人の思いが詰まった缶詰で活動をスタートさせてほしい」と話した。

 一般社団法人コノヒトカン 県内の食品加工会社や農家などから、余剰部位の肉やふぞろいの野菜を買い取り、シェフらの監修を受け2021年に缶詰を完成させた。食品ロスや子どもの貧困問題の解消が狙い。法人名と同じ名前で、牛肉をトマトと煮た「ニク」、サワラやレンコンをカレー粉で炒めた「サカナ」の2種類(各160グラム入り)を用意。1缶とご飯2合で3、4人分の食事になるという。これまで県内の児童養護施設などに約2700缶を届けた。

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