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ロシア産原油、価格上限を初突破 制裁効果、薄れる恐れ

 ロシア極東ナホトカ近郊の原油ターミナルに停泊するタンカー=2022年8月(ロイター=共同)
 ロシア極東ナホトカ近郊の原油ターミナルに停泊するタンカー=2022年8月(ロイター=共同)
 【ロンドン共同】ロシア産原油の価格が12日、G7やEUなどが対ロ経済制裁で設けた上限の1バレル=60ドル(約8300円)を初めて突破した。主要産油国の追加減産で原油相場が押し上げられた。ウクライナ侵攻の戦費に充てるロシアの原油収入を抑える制裁の効果が薄れる恐れがある。G7が追加措置を検討するかどうかが焦点になる。

 英調査会社が明らかにした。ロシアの代表的油種ウラル原油の価格は上限価格が設けられた昨年12月以降、一時40ドルを割った。しかし、主要産油国でつくる「OPECプラス」を主導するサウジアラビアやロシアが追加減産を決めたこともあって持ち直し、12日に60ドル台に乗せた。

 制裁はロシア産原油の価格高騰を抑えることを狙って導入された。60ドルを上回る価格で取引される原油には、海上輸送に必要な保険の契約をさせないことが柱。その後、ガソリンなどの石油製品にも拡大した。

 ただ上限価格の追加制裁に賛同する国は一部に限られ、中国やインドは欧州に代わってロシアから石油を積極的に輸入している。

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