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明治天皇行幸の日本画 岡山で発見 県立美術館 15日から初公開

15日から岡山県立美術館で初公開される日本画「天覧騎射図」について説明する守安館長(左)と有元会長
15日から岡山県立美術館で初公開される日本画「天覧騎射図」について説明する守安館長(左)と有元会長
 1885(明治18)年8月、明治天皇が岡山に行幸した際に後楽園(岡山市北区)で行われた歓迎行事を描いた日本画「天覧騎射図」が10日までに同市内で見つかった。調査した岡山県立美術館(同天神町)は「写実的な描写で当時の様子を伝える貴重な絵画史料」とし、15日に同美術館で開幕する特別展「美をたどる 皇室と岡山~三の丸尚蔵館収蔵品より」(山陽新聞社など主催)に合わせて初公開する。

 同美術館によると、歓迎行事は県が主催し、岩崎田実也という県職員が、馬を走らせながら弓で的を射る騎射を披露。岩崎が自らの記念として、県を代表する日本画家だった岡本常彦(1816~91年)に制作を依頼したという。絵は幅100センチ、高さ65センチで軸装されており、明治天皇や関係者が見守る中、矢を放つ岩崎の姿を躍動的に描写。下部には経緯をつづった岩崎自筆の文章も添えられている。

 古書や古美術品を収集する有元邦男・トヨタカローラ岡山会長が、福岡県の古書店から数年前に入手。同美術館の守安收館長に調査を依頼し、存在が明らかになった。守安館長は「皇室と岡山のゆかりを物語る新たな作品として、特別展と合わせて見てほしい」と話している。

 特別展は8月27日まで。皇室に代々伝わる絵画、工芸品に郷土作家の作品などを加えた約90点を紹介する。

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