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熱海のシンボル「走り湯」復活へ 土石流で被害、工事完了

 温泉の街、熱海のシンボル走り湯=27日、静岡県熱海市
 温泉の街、熱海のシンボル走り湯=27日、静岡県熱海市
 土石流で被害を受けた走り湯の源泉と機械室=2021年7月、静岡県熱海市(伊豆山走湯温泉組合提供)
 土石流で被害を受けた走り湯の源泉と機械室=2021年7月、静岡県熱海市(伊豆山走湯温泉組合提供)
 日本三大古泉の一つに数えられる「走り湯」(静岡県熱海市)の源泉のうち、2021年7月の大規模土石流で被災した「午の湯」の復旧工事が完了した。かつて多くの観光客が訪れた温泉街のシンボル復活に伊豆山温泉組合長の牧野文弘さんは「地域の復興と一緒に一歩ずつ進んでいければいい」と力を込める。

 国内でも珍しい横穴式源泉で、1300年以上の歴史を持つ。山中から湧き出した湯が海岸に飛ぶように走り落ちる様子から名付けられた。被害が大きかった伊豆山地区の温泉旅館などで使用され、無料の足湯も観光客の人気を集めた。

 2本ある源泉のうち午の湯は機械室などが土砂に埋まり、湯が出なくなった。被害を免れた「戌の湯」だけでは湯量が十分でなく、旅館同士で大浴場の営業時間をずらしたり、かけ流しを休止したりして「温泉の街」の灯を守った。

 土砂の撤去が進むにつれ観光産業にも目が向けられるように。昨年10月、午の湯復活に向けた掘削工事が始まり、5月に工事が完了した。

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