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世界に一つ、淡い緑のユリ 高知、花き農家の新品種

 高知県本山町で栽培されているユリの一種「ノーブルアイカ」
 高知県本山町で栽培されているユリの一種「ノーブルアイカ」
 幾重にも重なる淡い緑色の花びら。世界で唯一、高知県本山町でしか栽培されていない「ノーブルアイカ」というユリの一種だ。花粉を出さず飾る場所を選ばないため、ブライダル用や自宅用として需要がある。「華やかで珍しい」「花びらが多くてかわいい」と人気の花は、探究心に満ちた同町の花き農家が育て、出荷にこぎ着けた。

 元の品種はピンク色の「スカシユリ」だった。それが突然変異し、淡い緑色の花びらを持つ「ノーブル」が生まれた。藤原厚志さん(74)は、ノーブルを育てているハウスで2014~15年ごろ、さらなる変異種を発見した。「見た目の趣が違う。より良いものを出したい」。専門業者に組織を培養してもらい、増殖に挑んだ。

 ユリは暑さや病気に弱く、湿気が多い梅雨の時期は病気にかかりやすい。毎日状態を確認し、徐々に数を増やした。こうして藤原さんが新品種に育て上げたノーブルアイカは、ノーブルよりも花びらの枚数が多く、緑が濃く見えるのが特徴だ。

 18年から本格的に出荷を開始。注文も徐々に増え、知名度も上がってきた。今年は関西や関東を中心に2万本の出荷を見込んでいる。

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