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4度目、再審判断出るか注目 大崎事件、5日に高裁宮崎決定

 鹿児島県内の病院で再審開始決定を待つ原口アヤ子さん=5月24日(大崎事件弁護団提供)
 鹿児島県内の病院で再審開始決定を待つ原口アヤ子さん=5月24日(大崎事件弁護団提供)
 1979年に鹿児島県大崎町で男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は5日、殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(95)の再審開始の可否を決定する。昨年6月の鹿児島地裁決定は、事故死を主張した弁護側の救急救命医鑑定が確定判決を覆す証明力はないと退けた。再審を認めれば異例の4度目となる。

 確定判決によると、79年10月12日、義弟の男性=当時(42)=が酒に酔い溝に転落。近隣住民2人が男性宅まで送り届けた。日頃の生活態度に不満を募らせた原口さんが元夫らと共謀し、男性の首をタオルで絞めて窒息させ殺害。13日未明に遺体を牛小屋に遺棄した。

 争点は、溝転落時に頸髄を損傷したことで呼吸停止に陥った事故死だとする弁護側主張が認められるかどうかだ。弁護側は新旧全証拠を総合評価するよう求めている。

 新証拠は(1)司法解剖時の写真や解剖医の過去の公判説明を基に救急医が調べ直した鑑定書(2)殺害時刻の裏付けとなった住民らの供述調書に対する心理学や情報科学の専門家の分析。

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