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京本政樹、渡辺裕之さんからシーボルト役継承 急逝から2年、偶然にも命日に決心「天国のナベさんに笑われないように」

京本政樹とありし日の渡辺裕之さん
京本政樹とありし日の渡辺裕之さん
 俳優でシンガー・ソングライターの京本政樹(65)が、東京・銀座の博品館劇場で8月に再演される『シーボルト父子伝〜蒼い目のサムライ〜』に出演することが決まった。2022年5月に66歳で急逝した俳優・渡辺裕之さんの遺志を受け継ぐ。

 【写真】渡辺裕之さんから役を継承… 京本政樹が演じるシーボルトのビジュアル

 同作は、日本近代医学の父と言われたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトと、2人の息子であるアレキサンデル・シーボルト(長男)とハインリッヒ・シーボルト(次男)を描く物語。4年前の2020年に初演された作品で、シーボルト役を渡辺さんが演じていた。

 当初、シーボルトの来航200周年と、息子が活躍したウィーン万博150周年にあたる2023年に向けて企画された。次男ハインリッヒ役の鳳恵弥を中心に、長男のアレキサンデル役に山崎裕太、シーボルト役には渡辺さんが出演。さらに、爆風スランプのパッパラー河合が主題歌と劇中音楽、木村ひさし総監督という布陣で、好評となった。

 しかし、22年8月の再々演を前にした5月、渡辺さんが亡くなり、「舞台の形状が一気に変わってしまった」(舞台関係者)という。急きょ、シーボルト役を辰巳琢郎が引き受け、昨年の来航200周年の記念公演も無事に乗り越えた。

 今回は、次男のハインリッヒ・シーボルトの没後115周年記念公演として、内容についても、新たに判明した諸事実などに基づき脚本も書き直し、木村氏が総監修、主演の鳳が脚本・演出を務める形で心機一転、スタートする。さらに、渡辺さんの3周忌の法要も無事に終えたことから、父シーボルト役には京本を据えることになった。

 京本は、渡辺さんと「デビュー時から四十数年」の付き合いで、映画やテレビドラマで多数共演した。最後の共演作品は、映画『牙狼〈GARO〉―月虹ノ旅人―』(2019年公開)だった。この「牙狼シリーズ」は、京本が出演のみならず、主題歌に加え作詞・作曲・プロデュースの5役を兼ね、出演者によるユニット「ガロ・プロジェクト」には渡辺さんもメンバーとして参加した。

 渡辺さんと公私で関係が深かった京本は「(今回の出演オファーには)悩んだ」と言う。「渡辺さんとは役回り、キャラクターが全然違っていましたからね。そもそも(前回の代役だった)辰巳さんとも違うのですが…。これが時代劇だったらまだしも、シーボルト役というのはイメージがつかなかったし、当然、断ろうかと思ったことは確かです。しかも、これまで舞台公演への出演は多くいただいてきましたが、その全てが新橋演舞場や新歌舞伎座、明治座などで、博品館という小劇場での公演は全く経験がないので不安も大きかったんですよ」と明かす。

 それでも、渡辺さんの遺志に報いることを決めた。京本は「渡辺さんとは共演作も多く、舞台公演のDVDを観ているうちに、不思議なことに、何か引き合わせのようなものを感じるようになっていたんです。しかも、出演を決心したのが、偶然にも渡辺さんの御命日(5月3日)でした。正直言って自信はないのですが、今は精神的なつながりを感じています。天国のナベさんに笑われないように頑張ろうと思っています」と張り切っている。

 『ハインリッヒ・シーボルト没後115周年記念公演シーボルト父子伝〜蒼い目のサムライ〜』公演として、銀座博品館劇場で8月8日〜11日に上演される。

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(2024年05月20日 05時00分 更新)

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