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岡山市「待機児童ゼロ」達成 4月1日時点、施設整備など奏功

 岡山市は10日、市内の認可保育施設に入園できなかった待機児童が4月1日時点で0人だったと発表した。1人だった前年からさらに減り、7年連続の減少。目標とする「待機児童ゼロ」を達成した。

 市によると2024年の入園申し込みは1万8771人(前年比74人減)で、このうち認可施設に入れなかったのは692人。認可外施設の利用者や特定の施設を希望して調整がつかないなど個別事情のケースを除き、入園できない子どもはいなかった。

 認可施設に入れなかった子どもはいずれも新規の申し込みで、1、2歳児が計501人と7割以上を占めた。育児休業後すぐに職場復帰した保護者が増えたためとみられる。市は1、2歳児クラスに配置する保育士を増やし、受け入れの拡充につなげて解消を図る。

 待機児童を解消できた理由について、市は子ども園を中心とする施設整備や処遇改善による保育士の確保に加え、障害のある子どもの受け入れを推進したことが奏功したとみている。

 定例記者会見で大森雅夫市長は、全国ワースト2位の時期もあった待機児童数を改善させてきた経緯を振り返り「事実上初のゼロを達成でき、感慨深い。これからは保育の質の向上に努めていきたい」と述べた。

 岡山市では保護者の実情を踏まえて16年に待機児童の定義を拡大。18年まで3年連続で全国ワースト2位となり、ピーク時の17年には849人いた。

(2024年05月10日 17時56分 更新)

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