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菅・東大院教授に県文化特別顕賞 医薬品原料の合成技術開発

菅裕明氏
菅裕明氏
 岡山県の伊原木隆太知事は26日の定例記者会見で、文化・学術分野で顕著な功績のあった県ゆかりの個人や団体をたたえる県文化特別顕賞に、医薬品原料の合成技術を開発した菅裕明・東京大大学院教授(61)=岡山市出身=を選んだと発表した。

 菅氏は多様なアミノ酸を組み合わせて医薬品の候補となる物質「特殊ペプチド」を合成する技術を研究。1兆種類に及ぶ特殊ペプチドから新薬につながるものを素早く選別し、病気の原因となるタンパク質に作用するものを効率的に探し出す手法を実用化した。

 芳泉高、岡山大、同大大学院を経て米マサチューセッツ工科大で博士号を取得。2023年に優れた業績を残した科学者らを顕彰し、ノーベル賞の登竜門とされるイスラエルのウルフ賞(化学部門)を受賞、今年3月には日本学士院賞に選ばれた。

 記者会見で伊原木知事は「学界の第一人者としてより一層、活躍していただきたい」と述べた。

 県文化特別顕賞は01年に創設され、これまでに10人(延べ11人)が受賞している。贈呈式は7月16日に県庁で行う。

(2024年04月26日 10時51分 更新)

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