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洗顔料にお金かけても意味ナシ? デパコスはラインで揃えないとダメ? 本当の「美容のコスパ」を皮膚科医が検証

あなたのスキンケアや美容、コスパは?
あなたのスキンケアや美容、コスパは?
 プチプラからデパコスまで、百花繚乱のスキンケア商品。肌に効くものを選びたいけど、できれば安く済ませたいと、チョイスに頭を悩ませる人も多いのでは? そもそも、メイク落としから洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、美容液などなど、スキンケアに必要とされるアイテムの中でいったい何に一番お金をかけるのが正解なのか。お財布に優しく賢いスキンケア商品の選び方について、皮膚科専門医の圓山尚先生(クリニックフォア新橋院院長)に教えてもらいました。

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■スキンケアで絶対必要なのは2種類? 洗顔料にお金をかける意味ナシ?

――ズバリ、日頃のスキンケアで一番お金をかけるべきアイテムは、何でしょう?

 「これが一番と言えるものはありませんが、化粧水の後につけるアイテムとして、乳液・クリーム・オイルを全部揃える必要はありません。というのも、肌は内部に水分があって、その表面の皮脂膜が内部に水分を留めています。ですから、お手入れではまず『モイスチャライザー』と言われる化粧水などのアイテムで皮膚に水分を与えること、次に『エモリエント』と言われる乳液やクリームなどの油の成分で蓋をすることが重要。最低限、『モイスチャライザー』で1つ、『エモリエント』で1つを揃えておけばOKです」

――ちなみに、「洗顔は美肌にとって最も重要」と言う人もいれば、「朝は洗顔料で洗わない方がいい」と言う人もいます。洗顔料はどうなのでしょう?

 「洗顔料を使うと毛穴のつまりは取れやすいですが、必須というわけではありません。肌にトラブルのない方で、メイクをしていない状態でしたら、35度くらいのぬるま湯で洗うだけでいいでしょう。とくに冬場など乾燥する時期は、洗顔料によって皮膚の油分を取り過ぎてしまい、肌が突っ張ってしまう症状を訴える方も多いので注意が必要です」

――洗顔料は高いものから安いものまであります。

 「美容成分や抗酸化作用のある成分など、様々な成分を配合した洗顔料が市販されています。でも、基本的には汚れを落とすためのものなので、何かを肌に浸透させる役目は必要ありません。むしろ、洗顔料には界面活性剤など石鹸の成分が入っていて、すすぎの際にほとんどの成分は流れ出てしまいますので、そこにお金をかける意味はないでしょう」

――ドラッグストアやスーパーで販売されているプチプラコスメと、デパートで販売されるデパコスなどの高級化粧品は、やはり値段の差の分だけ効果が違うのでしょうか?

 「そうとは言いきれないと思います。デパコスは香りや使用感、高級感のあるデザインの容器など、肌への有効成分以外で価格が高くなっている面も。今はドラッグストアで手に入る化粧品でも、いいものはたくさんあります。

 例えば、ビタミンCは濃度に応じて期待できる効果が高くなりますが、10%くらいのものであればドラッグストアで簡単に手に入りますし、中には25%くらいのものもあります。ただし、濃度が高めなものはピリピリするなど刺激性があるので、使用感を確認することが必要。また、ニキビに悩む方向けにも、毛穴の詰まりを作らせないノンコメドジェニックやアルコールフリーの商品がプチプラで揃っています」

――すべて同じデパコスブランドのラインで揃えるのと、コスパを考えて「美容液は高いものを、洗顔料は安いものを」というようにカスタムするのでは、どちらが肌に効果的ですか?

 「シミやシワなど、悩みによって効果的な成分は変わります。美白も含めていろいろな美容成分を取り入れたほうがいいと思うので、その意味ではカスタムしたほうがいいかもしれません。というのも、とくにデパコスの場合、ビタミンCに特化したラインや、かぶれやすい人専用の炎症を抑える成分に特化したラインなど、各々特長を打ち出していて、それ以外の美容成分は少ないケースが多くあります。1ブランドだけに限ると、実は足りないものが出てくる場合があるんです」

――なるほど、たしかにそうですね。

 「ただデパコスの場合は、同一ラインで使用すれば肌トラブルが起きないようチェックして作られていますが、別ブランドのものと合わせた場合、双方が刺激が強いタイプだと、肌荒れなどトラブルが起きる可能性も。そこは注意が必要です」

――では、デパコスですべてが揃わなくても、プチプラで美白成分だけ、保湿成分だけ…と補うことも可能と。たとえば、どんな成分を意識するといいでしょうか?

 「よく、『肌にはコラーゲンがいい』と思われていますが、コラーゲンにこだわる必要はありません。そもそも、コラーゲンは分子量が大きすぎて肌に浸透しない。皮膚の表面に乗せることで、もっちりした感じにはなりますが、肌内部への効果はありません。それよりも、油分のある乳液やクリームで、保湿した後の肌にしっかり蓋をしてあげることを優先したほうが美肌のためには効果的です」

(文:河上いつ子)

【監修】
圓山 尚(えんやまたかし)
クリニックフォア新橋院院長。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。

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(2024年04月24日 17時40分 更新)

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