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異文化の差異と融合伝える特別展 倉敷・大原美術館で開幕

異文化の共鳴をテーマに、ゴーギャンの「かぐわしき大地」(手前左)と満谷国四郎の「緋毛氈」(右奥)など東西の名画が並ぶ会場
異文化の共鳴をテーマに、ゴーギャンの「かぐわしき大地」(手前左)と満谷国四郎の「緋毛氈」(右奥)など東西の名画が並ぶ会場
 日本と西洋の近代美術を比較検証する特別展「異文化は共鳴するのか? 大原コレクションでひらく近代への扉」が23日、倉敷市中央の大原美術館で開幕した。組織変更に伴い公益財団法人大原芸術財団が1日に発足した後、初となる特別展。初日から美術ファンらが詰めかけ、異文化の差異と融合を伝える作品を堪能した。

 「西洋と日本」「近代と現代」など四つのテーマで、コレクションから絵画を中心に109点を展観。南洋タヒチの女性を鮮やかに描いたゴーギャンの「かぐわしき大地」は異文化への憧れにあふれ、裸婦を平面的に表した満谷国四郎(総社市出身)の「緋毛氈(ひもうせん)」は日本人ならではの美意識が宿る。東西を行き来した児島虎次郎(高梁市出身)の作品を集めた一角には、欧州留学中に制作した「和服を着たベルギーの少女」、中国の服を着た妻がたたずむ「初秋」などが、他文化への共感を伝える。

 愛知県から訪れた女性(57)は「児島の作品が印象的。外国で見た人物や風景が生き生きと描かれ、引きつけられました」と話した。

 特別展は、地域や年代に沿った従来の常設展と違い、テーマ別に構成することで収蔵品の新たな魅力を発信しようと、昨年7月に就任した三浦篤館長が企画した。山陽新聞社共催、9月23日まで(祝日と7月下旬、8月を除く月曜休館)。

(2024年04月23日 19時59分 更新)

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