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フィギュア3千点が大集結 海洋堂、岡山で創業60周年展

宮脇修さんの等身大パネルと創業当時を再現した一坪半の模型店を見る三宅さん
宮脇修さんの等身大パネルと創業当時を再現した一坪半の模型店を見る三宅さん
バルタン星人とウルトラマンが向かい合うジオラマ
バルタン星人とウルトラマンが向かい合うジオラマ
ケンシロウと記念撮影できるフォトスポット
ケンシロウと記念撮影できるフォトスポット
お菓子のおまけとして人気を集めた動物フィギュア
お菓子のおまけとして人気を集めた動物フィギュア
 動き出しそうなリアルな動物、迫力あふれるアニメキャラクター、特撮の名シーンがよみがえるジオラマ…。約3千点のフィギュアが今、岡山に集結している。イコットニコット(岡山市北区駅前町)で開かれている専門メーカー海洋堂(大阪府門真市)の創業60周年記念展だ。精巧な技術を駆使した一点一点が、造形を追究し続ける歩みを伝えている。

 ケースの中にびっしり並ぶ哺乳類や昆虫、魚といった動物フィギュア。2000年ごろ一大ブームを巻き起こしたお菓子のおまけ「食玩」コーナーは、海洋堂を語る上で欠かせない。

 ザトウクジラはゆったりと大海を泳いでいるよう。ニホンザルは飛びかかってきそうな表情と動きが見事だ。多種多様で高品質なのに安価で、大人も子どもも夢中で集めた。懐かしさが込み上げ、いつまでも見てしまう。

 06年の発売当時に革命的だった腕や脚の関節が動かせる「リボルテック」作品では、エヴァンゲリオンの初号機などが目が引く。生物にも使われており、タガメやスズメバチは生きているようだ。巨大フィギュアもあり、高さ約80センチのバルタン星人とウルトラマンが向かい合うジオラマに、わくわくした気持ちを思い出す人は多いはず。

 北斗の拳のケンシロウと記念撮影できるフォトスポットもお薦め。カメラに向かってポーズを決めていた岡山市立高島小6年の男子児童(11)は「フィギュア集めやプラモデル作りが大好き。テンションが爆上がりです」と目を輝かせた。

 入り口には創業者宮脇修さんの等身大パネルとともに、1964年に大阪府で始めた一坪半の模型店が再現されている。プラモデル教室を開くなど、子どもに遊びを教えることで事業を拡大してきた歴史を伝える年表、作品を手がけた「造形師」の紹介もある。

 記念展は長年のファンでイベント会社を営む三宅泉さん(57)=岡山市=が取引先の海洋堂に持ちかけて実現した。関連のミュージアムなどからフィギュアを集め、岡山を皮切りに全国巡回を予定する。

 三宅さんは「フィギュアやプラモデルは、性別を問わず全世代が楽しめる芸術活動。作る楽しみを全ての人に感じてほしいという海洋堂の思いを岡山の人に届けたい」と話す。

 5月12日までの午前10時~午後5時(4月21日、27日~5月6日、11、12日は同6時まで)。入場料800円(3歳~小学生500円)。フィギュア製作体験(有料)もある。

(2024年04月20日 18時55分 更新)

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