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光合成しない植物の新属発見 「ムジナノショクダイ」と命名

 ムジナノショクダイ(鹿児島大の田金秀一郎准教授撮影)
 ムジナノショクダイ(鹿児島大の田金秀一郎准教授撮影)
 光合成をせず、地中にいる菌類から栄養分を吸い上げることで知られる「タヌキノショクダイ科」の植物の新しいグループを発見したと、神戸大や鹿児島大のチームが29日付の国際誌電子版に発表した。生物の分類階級で「種」より一つ上の「属」のレベルで新しいという。

 大部分が土に埋まっていることから、地中をすみかにするムジナ(アナグマ)にちなんで「ムジナノショクダイ」と命名した。

 チームによると、日本で新属の植物が発見されるのは珍しい。見つかるとしても、既に知られていた種のDNAを解析したら新属だったと分かる場合が多いという。

 ムジナノショクダイは根も含めて高さ約3センチ、花の直径約1・5センチ。見た目の特徴に加え、DNA解析の結果から、タヌキノショクダイ科の新属新種だと判明した。

 福岡県の植物愛好家が22年6月に鹿児島県の肝属山地で見つけ、標本を鹿児島大に送付。連絡を受けた末次教授らが現地を調べ、新たに複数の個体を見つけた。生息地や個体数が限られている可能性があり、末次教授は保護の重要性も訴えている。

(2024年03月01日 00時13分 更新)

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