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備前の手作り園舎 完成もうすぐ 日生カキ殻材料に親子ら漆喰塗り

備前市日生町地区産のカキ殻を使った漆喰
備前市日生町地区産のカキ殻を使った漆喰
コテを手に作業に励む親子連れ
コテを手に作業に励む親子連れ
広場で交流する地域の人たち。奥の建物が建設中の園舎
広場で交流する地域の人たち。奥の建物が建設中の園舎
 子育て支援のNPO法人・備前プレーパークの会(備前市久々井)が進めている保育園舎の手作りプロジェクトは、3月中の完成に向け大詰めを迎えている。外壁の施工では親子連れらが地元産カキ殻を材料にした漆喰(しっくい)塗りに挑戦。地域の人たちと交流しながら作業に励んだ。

 「みんなのおうちをつくろう!」プロジェクトとして、同法人が運営する認可外保育園「森っこえん」(同所)の園舎を整備。同法人のプレーパーク(遊び場)の一画に伝統的な建材と工法で平屋(約40平方メートル)の木造建物を造っている。専門家の協力を得て、子育て家庭に参加を呼びかけて昨年6月から進めてきた。

 外壁塗りは24日に行い、市内外の子育て家庭9組を含め約30人が、熟練の左官職人・森繁裕治さん(72)=倉敷市=の指導を受けながら作業した。使ったのは備前市日生町地区産のカキ殻と石灰、フノリ(海藻)などを混ぜた漆喰。子どもたちは粘り気の強い漆喰に苦戦しながらコテを動かし、むらができても根気よく修正して丁寧に仕上げていた。

 男性会社員(33)=岡山市東区=は長男(4)と参加し「漆喰塗りは初めて。親子の思い出になる建物が長く親しまれてほしい」。長男は「塗るの面白い。もっといっぱいやりたい」と夢中だった。

 作業の後はプレーパークの広場で、地域の人らが材料を持ち寄り調理した豚汁や餅、焼き芋などを味わいながら交流した。

 園舎は20日の卒園式の会場とし、4月から本格的に利用する予定。同法人の北口ひろみ代表理事は「みんなで手作りした園舎を地域のふれあいの場としても活用していきたい」と話している。

(2024年02月29日 18時32分 更新)

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