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「忘れない」撤去の時計台に感謝 岡山・表町 市民のメッセージ続々

時計台に貼られたメッセージカード。感謝や思い出をつづっている
時計台に貼られたメッセージカード。感謝や思い出をつづっている
 「見守ってくれてありがとう」「ずっと忘れない」―。イベントスペースの整備に伴い、撤去が決まった岡山市表町商店街南部の時計台。半世紀以上の歴史に幕を下ろす地域のシンボルに感謝を伝えたいと、市民がメッセージカードを貼っている。慣れ親しんだスポットがなくなることを惜しみ、時計台にまつわる思い出などもつづっている。

 カードは時計台(高さ約7メートル、幅0・8メートル)を管理する岡山表町南部商店街振興組合が企画した。「さよなら ありがとう 時計台」と記した名刺サイズの紙を近くの台座に置き、自由に書けるようにしている。

 9日夕時点で約30枚。「映画を見に行く待ち合わせはいつもココでした」「道案内のシンボルとしてお世話になった」「朝、時計を見て登校していた。ありがとう、忘れないよ」と思いが込められた言葉が並ぶ。あきらめられないのか「上からつるすとか、工夫して残して」との要望も。

 カードを貼った岡山市北区、女性(75)は「友人との待ち合わせで目印にしていた。とにかく寂しいですね」とぽつり。

 「メッセージからは、商店街が多くの客でにぎわっていた当時の風景がうかがえる」と矢部久智組合理事長。「新たな場所に生まれ変わると前向きに撤去の日を迎えられるよう、みんなの思いを寄せてほしい」としている。

 時計台は西大寺町、千日前、紙屋町の各商店街が交差する十字路の中央にある。上部にアナログ時計が取り付けられ、遅くとも1960年代に設置されたとみられる。撤去工事は20日に始まる予定。

(2024年02月09日 21時45分 更新)

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