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約7億光年先の銀河団を撮影 JAXA観測衛星「XRISM」

 超新星爆発を起こした星の残骸「N132D」の画像(中央右)と検出した元素の分布イメージを重ね合わせた図(JAXA提供)
 超新星爆発を起こした星の残骸「N132D」の画像(中央右)と検出した元素の分布イメージを重ね合わせた図(JAXA提供)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、天体や高温ガスから出るエックス線を捉える観測衛星「XRISM(クリズム)」が撮影した観測画像を初めて公開した。地球から約7億7千万光年の距離にある銀河団「Abell2319」や、超新星爆発を起こした星の残骸「N132D」が明るく輝く姿を捉えた。

 銀河団は数千の銀河を内包する巨大な天体で、今回は二つの銀河団が衝突して合体する瞬間の撮影に成功した。画像には周囲を取り巻く高温ガスが紫や白の光で示されている。従来の衛星よりも格段に大きな視野で、銀河団の広がりを明確に捉えている。

 地球から約16万光年離れたN132Dの観測では、ケイ素や硫黄、アルゴンなど高温ガスに含まれる元素の種類と量をこれまでよりも高精度に検出できた。年老いた星は爆発し、宇宙空間にさまざまな元素をばらまくことが知られており、今回の観測結果は物質がどのように循環するかを解明する手掛かりになる。

 クリズムは昨年9月、H2Aロケットで種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。

(2024年01月05日 18時21分 更新)

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