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続く戦闘、ガザ住民苦境 新年も「物資足りない」

 屋外で料理する人々=12月30日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファ(ナビル・アブデヤさん提供・共同)
 屋外で料理する人々=12月30日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファ(ナビル・アブデヤさん提供・共同)
 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は開始から3カ月が迫るが、いまだ終わりが見えない。ガザでは食料や医薬品が不足し、住民の苦境は深まる一方だ。電話取材に応じた避難民は「世界が新年を祝う中、私たちは寒さを防ぐ毛布もテントも足りない」と嘆き、戦闘終結とともに支援物資の一層の搬入を求めた。

 「爆撃音が毎日続き、驚かなくなり始めている」。ガザ南部ラファの避難施設に身を寄せた女性エマン・バシルさん(32)が語った。施設は避難民であふれ、衛生状況が悪化して下痢などに苦しむ人が多いという。「私の子どもも病気になった。物価は跳ね上がり、お金のない人は物乞いをするか飢えるしかない」と悲嘆する。

 新年が来ても「ひどい状況は変わらない。国際社会を信じられなくなった」とも語り「今すぐ戦争が終わってほしい」と訴えた。

 写真家ナビル・アブデヤさん(52)は、戦闘が激化するガザ南部ハンユニスを離れ、ラファでテント生活の準備をしていると話した。

(2023年12月31日 14時48分 更新)

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