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資材置き場で高濃度PFAS確認 吉備中央・有害物質、県が調査

高濃度のPFASが検出された岡山県吉備中央町での土壌調査の結果を説明する県の担当者
高濃度のPFASが検出された岡山県吉備中央町での土壌調査の結果を説明する県の担当者
資材置き場で高濃度PFAS確認 吉備中央・有害物質、県が調査
 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))が検出された問題で、県は21日、浄水場の水源近くの資材置き場(同町上田東)で行った土壌調査の結果を発表した。発生源とみられる使用済みの活性炭が置かれていた周辺から最大で1リットル当たり75万ナノグラム(ナノは10億分の1)の高濃度を確認。県は「発生源の可能性がさらに高まった」とみており、町が立ち上げる有識者委員会で専門家の判断を仰ぐ方針。

 活性炭は地元企業が長年、山積みの状態で保管しており、県の調査で一部から450万ナノグラムのPFASを検出している。今回、表面の土を採取して溶出試験を行った結果、75万~2万1千ナノグラムの濃度が確認された。土壌についてのPFASの指針値はなく、分析方法が異なるため単純比較はできないが、75万ナノグラムは水質管理に関する国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)の1万5千倍に相当する。

 県が併せて実施した水質調査では、浄水場が取水していた河平ダムや上流の沢などで今月中旬に採取したサンプルから高濃度のPFASを確認。活性炭は11月中旬に資材置き場から全て撤去されたにもかかわらず、依然として水質が改善していないことから、県はPFASが土壌深くに浸透し、沢などに溶出したとの見方を強めている。

 県は25日に開かれる吉備中央町の有識者委員会で調査結果を報告し、発生源を含めた今後の対応を協議。一方で、河平ダムなど4地点の水質調査を定期的に行い、企業の活性炭の管理が適切だったかについても引き続き調べる。

 一連の問題では吉備中央町が10月、円城浄水場から2020年度以降に目標値を上回るPFASが検出されたと公表。住民グループが独自に行った血液検査では血中から高濃度が確認されている。

(2023年12月21日 22時24分 更新)

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